第22回スキルアップ講座(2022年7月3日開催)

 

コロナ禍の音楽療法を通して考える「変わっていくもの」と「変わらないもの」

 

参加者の方の感想を載せました。ぜひ、ご覧ください。

 

【参加者Aさん】

 今回は対面+遠隔によるハイブリッド形式での開催でした。先生方のご講演は一つひとつが濃密で、また、私は対面参加で直接お話をうかがえたこともあり、講座が終わった時には大変心地よい疲労感を感じました。今回の講座で得られた学びは、音楽療法士として①困難な状況であっても人と関わりを持ち続けようとする姿勢、②常に発見と挑戦によって音楽療法の進歩の歩みを止めない姿勢、と感じています。周りの環境が変化していく中でも、音楽療法士として“変わらない”ことを大切に、研鑽を続けていきたいと思いました。

 

【参加者Bさん】

 コロナ禍を経て「変わったもの」と「変わらないもの」について4人の先生のお話を伺いました。「変わらないもの」の視点からは音楽療法の必要性を再確認できました。そして「変わったもの」については先生方によって視点が様々で、どのお話も大変刺激的でした。コロナ禍にあって先生方がどのように音楽療法や臨床のあり方に向きあってきたのかがよく伝わりました。個人的には特に「聴取による音楽療法」の今後や「遠隔音楽療法」から得られたものの視点に興味を持ちました。「変わったもの」と「変わらないもの」、講座全体を通して、改めて自分自身の臨床についてもじっくり考えてみたいなと思えるテーマでした。

 

 

 

 ◆第22回スキルアップ講座内容◆ 

 

 コロナ禍が続く中で音楽療法の臨床現場では新しい取り組み、あるいは変わらずに続いていることの両側面があることが言われ始めました。今回は4人の話題提供と参加者とのディスカッションを通して、これからの時代の音楽療法について考えたいと思います。

 

講師:村井靖児(東京音楽療法協会会長

     郡司正樹(聖徳大学)

     二俣泉(昭和音楽大学)

     久保田牧子(国立病院機構相模原病院)

 

Ⅰ.村井靖児:音楽療法における患者さんとの関わり~臨床家としてのコツ~

 長年の精神科音楽療法における患者さんとどう関わるのか、患者さんから何を感じ取ってどのように応えていくのかなどについて。

Ⅱ.郡司正樹:音楽療法における「変わっていくもの」と「変わらないもの」

 音楽療法における「変わっていくもの」「変わらないもの」のテーマで、障害児の現場を通した話題。

Ⅲ.二俣 泉:遠隔による音楽を用いた介入の試み~音楽つき漸進的筋弛緩法と調整的音楽療法を併用した事例~

 コロナ禍の中、ASDの子どもを持つ母親のメンタルヘルス向上のための音楽を用いた介入の研究を大学院生(ペルーからの留学生)と共同で行いました。その手続きと結果について報告します。この事例は、日本から海外(ペルー)在住の人への実践でした。遠隔による介入では、国をまたいだ実践も行われる可能性もありますが、それについても言及します。

Ⅳ.久保田牧子:神経難病患者のオンライン音楽療法~参加の継続と拡がり~

 神経難病患者の外来の集団音楽療法をコロナ禍でオンライン実施として変更。この新しい治療構造は、通院での身体的な負担を軽くして参加を継続させ、機材に向き合い自律的な参加を可能にしている事が見えてきました。

 (日時:2022年7月3日(日)13:30~16:45)

 (会場:東京芸術劇場(対面)とZoom使用(オンライン))